あれは3月19日、かたくなに洋画を敬遠し続けていたが、父が不在の解放感に「ダウントン・アビー(劇場版)」を観たことが発端だった――…
いや、さらに正確に言えばその翌日に「コードネームU.N.C.L.E.」を観たことが起爆だったけども。何が琴線に触れたかって、やっぱり自分と全然違う世界・考え方に触れられるということだったと思う。
「ダウントン・アビー」の興味深かった点は、1927年のイギリスの田舎貴族の社交と生活と思想。陰気臭さと紙一重の気候・自然も視覚的にとても好きだし、お屋敷というものは秘密の花園以前からずっと興味があるから目がずっと楽しかった。「英国の間取り」(K-Knowledge)も買ったばかりだったから、マナーハウスの上・下の別世界観も面白く見れた。
記憶に残る場面は、メアリー王女とトムの庭での会話。ドラマの方は未視聴なのでよくわかってないものの、反王室派で、かつては活動家でもあったトムが王室を戴く貴族と家族になっている。でも、そのことは彼の中で矛盾するようなことではない、今の彼にとっての一番大切なものは、娘に確固たる地盤があること。それは自分一人だけじゃない”家族”の存在であり、彼らに対する自分の愛情でもあるから、政治信条の違いが家族関係の中で問題になることはない。(説明が下手)
「いや、僕は王室を支持しないので」
Downton Abbey 2019
「公言していいの?クローリー家の信条とは真逆だわ」
「それでも家族です」
「大切な?」
「善良な人たちです」
「一緒に暮らすのは大変では?」
「確かに。彼らの政治信条は愚かだと思うが、愛情が勝る。
それに… 娘の家族です(省略)」(That’s important to meとか最後に言ってる)
「要するに、人生で何を大切にするか。
私も考えてみるわ」
「コードネーム U.N.C.L.E.」はもう、完全に好きな要素の盛り合わせ。
スパイ・近代史・バディ・イケメン・美人・ギャグ・アクション―ー
まぁ楽しい2時間でした。あれから2週間、まだまだしっかり尾を引いてますから。
舞台は1963年、バリバリに冷戦下の状況のドイツ・イタリアでの東独ガール・アメリカンボーイ・ロシアンボーイ(+イギリスの食えないおじさん)のあり得ない・共闘・ドタバタ・スパイ・ムービー。超面白かった。あと服装可愛い。そしてまたイリヤの設定がもう刺さる刺さる…(脱線するが元作品の「0011ナポレオン・ソロ」のイリヤ役、NCISのダッキー博士だったんです!?ちょっと…世界は狭いな…大好きです…)
改めてWikiで冷戦調べると、色々わかってなかったな。そうか、スターリンは1953年に死去してて、緩和(1955-1958)→危機(1958-1962、ベルリンの壁1961年8月、キューバ危機1962年)を経て、1963年はホットラインが開通したりしたタイミングなのね。米:ケネディ、ソ:フルシチョフか。なるほど…。
抱腹絶倒したシーンは山ほどあるし、観ればみんなそうだと思う。
とにかく、この流れで近代史ブームと洋画ブームが到来。その後3月中に見た映画を舞台年代順(長期間のものについては個人的に重要と思う年)に並べると、
(初)1917 (1917年、WW1中) 【2019、米英】 (再)ダウントン・アビー (1927年) 【2019、米英】 (再)英国王のスピーチ (1939年、WW2開戦) 【2010、米英豪】 (初)ビューティフルマインド (1958年、診断の年) 【2001、米】 (再)コードネーム U.N.C.L.E (1963年) 【2015、米英】 (再)裏切りのサーカス (1974年) 【2011、英】 (初)アメリカン・スナイパー (2003年、イラク戦争) 【2014、米】 (再)インセプション (2010年(仮定)) 【2010、米】 (再)M・I ゴーストプロトコル(2011年(仮定)) 【2011、米】 (初)インターステラー (近未来。100年後か、もっと近いか)【2014、米英】
裏切りのサーカスからイラク戦争まで一気に25年とんでるところを埋めたいけど、もれなく重そうな気配がしている。
次は何を観ようか、ドラマにでも手を出すか…
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